「わからない状態」を面白がれるかも♪
- 2 日前
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更新日:18 時間前

◾️うれしいメッセージ
先日のレッスンでは、Kさまの「試行錯誤がたのしいです♪」とのお言葉に、「ほんと!そうですよね〜」と大きく頷きました。
仮説と検証を繰り返す過程で生まれる試行錯誤は、「わからないこと」がわかるところから始まります。そして、試行錯誤の回数が多ければ多いほど、脳はやわらかくふかふかに耕されるように感じます。
Kさま、ご一緒に試行錯誤をたのしめてとても幸せです。ありがとうございます。
◾️ほとんどの人は、「わからない状態」が苦痛
Kさまのように「わからない状態を面白がれる人」は、ほんの一部かもしれません。多くの人が、「わからない状態を避けてしまう」ように感じます。
たとえば朗読の実践には、『朗読とは何か?』という概念の共有が欠かせませんが、「わからない状態でいることが苦痛な人」は、この本質的な話を直ちにわかろうとして、「既存の回路」だけを使って受け取り、それで「わかったこと」にしているように感じます。
でも、これまでの経験や価値観とは異なる話、つまり、既存の回路だけでは受け取れない話を、既存の回路だけで処理してしまったらどうなるでしょう?『朗読とは何か?』という「(すぐには)わからない話」を、「(すぐに)わかる話」に都合よく変換して受け取り、わかった気になっているのかもしれません。
そうなると、もう、自分に不都合な話は、目にも耳に入らないのではないでしょうか。おそらくご本人は無自覚です。
◾️「わからない」とどう付き合うのか
朗読教室では、次のように板書しています。
(既存の回路だけで)わかろうとせず、
(既存の回路だけで)わかったことにせず、
(時間をかけて)のんびり付き合う。
これは、朗読の概念を共有するときにも、文学作品を幸せに受け取るときにも大切な心構えです。
でも、わからない状態に身を置くことが苦痛だと、簡単なことではないのかもしれません。
無意識のうちに苦痛から逃れようとして、「わからないこと」を自分に都合よく「わかること」に変えて「わかったこと」にしてしまったり、「難しいから無理」とか「わたしには必要ない」とか自分を納得させる理由づけをして遠ざけてしまったりするのではないでしょうか。
わからない状態がさほど苦痛ではない人は、たとえば『朗読とは何か?』という話を、「すっかりわかろう」と力むことなく、のんびり聞いてくださいます。身体も、目も、リラックスして緩んでいます。表情が豊かで、自然に笑顔が生まれていらっしゃる。「わからなくてもいいのよね〜」という感じで、既存の回路だけを使ってわかろうとはしていないご様子が伝わってきます。
このとき、その方の脳も緩み、外から入ってくるものを受け取りやすい状態になっているのでしょう。
朗読の概念を形づくる一つひとつの要素を、“そのまま”受け取り続けることができます。そして、その新しい体験によって「新しい回路」が少しずつ芽生え、その回路がゆっくりと積み重なり、やがて「読書領域」という新たな認知の枠組みが生まれる——そんなイメージです。
◾️朗読の醍醐味は、試行錯誤
わからない状態が苦痛だと、自然に避けてしまいます。それでは、「認知の言葉」を扱う朗読の醍醐味である「(身体を使った)試行錯誤」は、そもそも始まりません。
試行錯誤は、わからない状態を受け入れることで、ようやく始まるのかもしれません。そして、試行錯誤を重ねる中で、自分が読書領域にいると思っていた場所が、じつは上演領域の延長だったことに気づき、読書領域の豊かさを実感していくのだと思います。
文学作品は、「わからない状態」に安心して身を置く機会を、私たち読者に手渡してくれます。そして朗読は、その「わからない状態」に身を置き続ける読書法です。「試行錯誤」を促し、やがて「わからないことを面白がれる自分」に出逢わせてくれるのでしょう。
だからこそ、まずは、「朗読の本質」をいそいでわかった気にならず、のんびり付き合っていただけたらうれしいです。
◾️Nさまのこと
最初は「難しい」とおっしゃっていたNさま、「難しい」と言いそうになると、「難しいかもしれないけど、そうじゃないかも」「難しい気がするけど、そうでもないかも」「面白いかも」と言い換えることを心がけてくださいました。
そして最近、「語り手に寄り添えるようにと、時間かけて言葉を深めていくことが、今楽しくなってきました」とメッセージをくださいました。
既存の回路でわかろうとせず、すぐにわかった気にもならず、のんびりお付き合いくださって、着実に成長していらっしゃるお姿に、感動しかありません。
Nさま、ありがとうございます。尊敬しています。
◾️まとめ
今はまだ、わからない状態が苦痛であっても、わからない自分を受け入れながら、「わからない状態を面白がれる自分」との出会いをたのしみに、朗読をご一緒しませんか?
これからも、皆さまとともに、安心して「わからない状態を面白がれる場」をつくっていきたいと心から願っています。




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