Yさまへのメール──朗読が育む「文学を受け取る力」
- marikoroudoku
- 7月25日
- 読了時間: 2分
更新日:8月3日

先日メールを整理していて、昨年の夏にYさまにお送りしたメールを見つけました。いま読み返しても、『新しい朗読ー語り手の体験を生きる読書法』の核となる思いが詰まっていると感じます。皆さまにもご紹介しますね。
Yさま、メールをありがとうございます。うれしく拝読しました。
自分の経験に引き寄せて物事を考えるのは、私たち人間の常ですが、その経験を揺さぶり、視野を広げてくれるのが、小説や詩なのかもしれませんね。作品から、さまざまなことを学んでまいりましょう。
それにしても、虚構の世界をリアルに体験させてくれる『蜘蛛の糸』の語り手はお見事ですね!Yさまとご一緒に作品世界を体験できて、私もいつもワクワクしています。
より豊かな言語体系、より生きやすい価値観へと導いてくれるものを「文学」と呼ぶならば、その「文学」を受け取る力を育むのが「朗読」なのだと感じています。
「朗読は表現」という通念を見直して、「朗読を通して作品世界を体験」していきたいですね。そうすることで、文学作品を受け取る力がゆっくりと育ちます。そして、(言葉とともにある)体験ができるようになったときには、すでに「心に響く音声」は生まれています。「あ、この音なんだ…」って気づく感じでしょうか。「そのとき」が訪れるのは、もちろん楽しみです。でも、それよりも、言葉と体験の繋がりがたしかなものとなっていく過程を、しっかり楽しんでいただきたいと願っています。
Yさま、次回のレッスンも楽しみにしておりますね♪




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